去年、ギャラリーパラグローブで展示された「冨岡雅寛のふたつの異なるカオスモス現象を、映像を使って実験的にクロスさせる。」倉嶋正彦の 視示不見シリーズが、形の科学会 第57回 形の科学シンポジウムで再現された。形の科学会は、“かたち”に関連した様々な研究を発表している。
冨岡雅寛の追求するカオスモス現象もまた、あるひとつの“かたち”の有り様として認識される。
自然現象が美しく、興味を惹くのはわかる。ビジュアリスト倉嶋の感性が自然現象を交叉させたビジュアルでみせようという試みは、大変面白い。
だが、アイテムは同じ。アートギャラリーの外での展示。また“かたち”に通じた研究者からどのような反応を得るのであろうか。
今回、ふたつの映像が写し出されたスクリーンに変化があった。プロジェクターの違いで、前回青味がかった色は、銀発色のクールなものになっていた。そして、数字の「6」のような形状が見受けられる。倉嶋はこれを「スパイラル」と表現した。カオスモスマシンの円形がうまく重なり、スクリーンにその形状を現すに至った。
カオスモス現象のカルマン渦とベルナール対流がより美しく交じり合う。
「二つの異なる流れを、映像で干渉させ、体感視する対話型インスタレーション」がまたひとつ完成度を上げた感がある。
motoko記 040801
冨岡は語る
「理系の方にとっては、今回のインスタレーションは、映像による斬新なアートの体験であり、感想が好評だったのが嬉しいです。」
そして・・ |